クローニングならIn-Fusionがいいよ!実験が捗るよ!
生物屋の皆さん、クローニングは好きですか?
僕は大嫌いです。
プラスミドを調整して、フラグメントを切り出すかPCRで増やして、ライゲーションして、形質転換して、さあうまくいったかと思ったらコロニーが2、3個しか生えてこないなんてザラです。
フラグメントが大きくなるほど憎たらしいです。
すべてを投げ出して海に行きたくなります。
ただ、そんな僕でも簡単にクローニングできるキットがありました。
それは、In-Fusionクローニングというキットです。
このキットは1反応あたり2000円とやや高価ですが、これを使うことでクローニングの手間が一気に省けるんです。
びっくりするほど便利です。
今日は、このIn-fusionクローニングキットの魅力について語っていきましょう。
目次です。
In-Fusionクローニングの仕組み
In-Fusionクローニングでは、インサートしたいフグメントとベクターの両端15塩基が相同であれば、簡単にクローニングできます。
つまり、ベクターのクローニングサイトの15塩基と相同的な配列をフラグメントの端に付加すればいいのです。
例えば、PCRでインサートフラグメントを増やす際には、プライマーに15塩基の相同配列を付加してPCRすればオーケーです。
(
ただ、付加する15塩基は以下の図の通り、ベクターの末端形状によって異なります)
この仕組みによって、In-Fusionクローニングでは、制限酵素やライゲーションキットによる操作が一切必要ないのです。
とっても便利!
In-Fusionクローニングによって実験操作時間が大幅に短縮される
In-Fusionの魅力の一つに、短時間で実験が終わるというメリットがあります。
下の図の通り、PCRを利用したクローニングならば1日分時間を短縮できます。
そして、クローニング反応(In-Fusion反応)自体は15分程度で終わりますので、余った時間で気になるあの子とゆっくりお茶にでも行けばいいのではないでしょうか。
In-Fusionはあなたの大切な時間を節約してくれます。
連結クローニングが一発で出来る。そう、In-Fusionならね。
In-Fusionクローニングの最大の魅力は、連結のクローニングが一発で出来る所です。
インサートの両端に15塩基の相同性があれば、自動的にくっついてくれますので、3本、4本の連結クローニングがたった一回の反応で済んでしまうのです。
これ、一回一回クローニングしていたら1ヶ月はかかりますよね。
でも、In-Fusionならすべての反応が2日で終わります。
実験時間の大幅な短縮ができますね。
余った時間で気になるあの子とディズニーランドにでも行けばいいのではないでしょうか。
ちなみに僕はディズニーランドは嫌いです。
In-Fusionでのクローニングには当たりが多い
In-Fusionでクローニングして形質転換したコロニーをコロニーPCRで確認すると、大体目的物は入っています。
ほぼ100%入っています。
まるでハズレのないくじのようです。
とってもストレスフリーです。
僕は小学生の頃、縁日の紐くじで3000円を費やしても当たりが出ませんでした。
テキヤのおっちゃんに
「もう一回やればあたるんちゃうか」
とそそのかされ、その月のお小遣いのすべてを失って手に入れたのは、あのピロピロと鳴る笛10本でした。
それ以来、僕はハズレという言葉に恐怖を覚えています。
In-Fusionクローニングならば、そんな苦い思い出は一切思い起こさせません。
大体当たります。
テキヤのおじちゃんもびっくりです。
ちなみに大人になって、縁日の紐くじはすべてハズレということを知りました。
それ以来僕は大人が大嫌いです。
結論:In-Fusion最高
以上、In-Fusionの魅力を語っていきました。
一番の魅力はなんといっても実験時間が短縮できる所ですね。
ルーティーンにクローニングを行っているラボならば、このキットを導入するだけで7割は実験スピードが上がると思います。
このような相同組み換え的なキットとしては他にはGatewayが有名ですが、Gatewayの場合最初にカセットを構築しないといけないので、とっても面倒です。
でも、In-fusionならばお手持ちの制限酵素で切れるベクターならば、どのベクターでもすぐにクローニング可能です。
なんて便利なの。
一反応2000円と少しお高いですが、大切な時間を大幅に短縮できると考えたら安い物だと思いますので、クローニングをよくされる方は導入を考えてみてください。
とってもオススメですよー。