これからの正義の話をしよう

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これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

今更ながら、ずっと読みたかったマイケルサンデル教授の「これからの正義の話をしよう」という本を昨日やっと読めた


いろいろな倫理学説を豊富な具体例を提示しながらわかりやすく解説している良書だった。

彼の本を読んであらためて正義という言葉の曖昧さを実感させられた。

誰にとっての正義なのか
また
どの程度の正義なのか

正義という言葉は使う人によって定義が変わってくる。

 

 

昔、仮面ライダーを見ていて思ったことがある。

ショッカーはそこまで悪い奴なのだろうか?

彼にも家に帰れば子供がいるかもしれない。
要介護の両親がいるかもしれない。

道端に踏みつけられた花をそっと愛でてあげるやさしさを持っているかもしれない。

安月給でシブシブBOSSに従っているだけかもしれない。
それなのに、どうして仮面ライダーはあそこまでケチョンケチョンにショッカーをやっつけるのだろう?

どうして出来事の一部しか見ないですぐに彼らを「悪」と決めつけるのだろう。

この世は善悪二元で成り立っているわけではない。
もっとみんな物事を多面的に見るべきだ。

うん、そうだ。
一見悪そうな奴が実際いい奴という話はよく聞くぞ。
うん、そうだ。
一見、悪いことでも、実際にはいいこともあるんだ
うん、そうだ。

 

 

 

だから今、俺の目の前に転がっているハーゲンダッツを夜中の3時に食べることは決して悪いことではないんだ。
うん、そうだ。

この夜中3時という人間の代謝が最も弱まって栄養の蓄積が活発な時間にハーゲンダッツクリスピーサンド(ストロベリー)を食べることは一見悪いことのように思えても決して悪いことではないんだ。

うん、そうだ

物事を多角的に考えろ自分。
このクリスピーサンド(ベリーベリーストロベリー)を食べる事によって経済活動は促進される。
それはもう悪ではなく、正義ではないか。

このクリスピーサンドベリーベリーストロベリーを食べる事によって俺の今のストレスが軽減されてこれからの動画視聴(ニコニコ動画)がさらに有意義なものになる。
そうだ、これは自分にとってかなりの正義ではないか。
だいじょうぶ
うん

今食べていいんだ

この誘惑に負けていいんだ

ハーゲンダッツ
愛しのハーゲンダッツ

ビバ正義!!!!!

 

 

 

 

 

「待ちな!」

「お、お前は・・・ショッカー!!!!!」

「そのハーゲンダッツ(ベリーベリーストロベリー)は俺たちが頂いた!」
「うわ!やめろ!それは俺の命だ!!!!」

「うるせえ!よこせ!」
「ぐはぁ!!!」
「じゃあな!」

「俺のはぁぁぁぁぁぁぁっぁぁあlげぇぇぇぇぇぇえぇぇぇんんんんだぁぁぁぁぁぁっぁぁあっっtっっtっつううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その後、俺はショッカー制圧部隊に入隊した。
心の底からショッカーが憎かった。

もう、あのハーゲンダッツ(ベリーベリーストロベリー)は帰ってこない。
何が何でも奴らを根絶やしにしたかった。

正義?
物事を多面的に考えろ?
そんなこと知るか。

ただ単に奴らに仕返しがしたかった。
これが俺の正義だ。
ただ奴らへの報復という目標を糧に部隊の過酷な訓練に耐えた。
そしてついに時は来た。
「時刻まる、まる、さん、ぜろ。ショッカー制圧特攻部隊、目標エリアに無事侵入、これから制圧を開始します。」

「了解。心してかかれ。」
俺は、ついにハーゲンダッツの恨みが晴らせると思うと胸が高鳴った。

いつも俺のそばにいてくれたハーゲンダッツ。

つらいときにも横で微笑んでくれたハーゲンダッツ。

「あいつらを全員根絶やしにすれば、この涙とも別れられるのかな。」

そうつぶやいた瞬間、上官が俺の目を見て微笑んだ。

「今日で、思い出の中のハーゲンダッツともお別れだな。」

毎日俺をいたぶっていた上官がこんなにも微笑んでくれるなんて夢にも思っていなかった。
そうか、上官は俺のためにわざと・・・・・

「いくぞ!突入!!!!!!!!!!!!!!!」

俺達はライフルを片手に基地に侵入した。

ショッカー達が慌てふためいている。
俺たちは順調に基地内を制圧していった。
一人、また一人とショッカーが倒れていく。

「あれ、なんでだろう。ショッカーを倒すごとに胸の隙間が大きくなっていく気がする。」

俺がショッカーが倒れる度に感じるのは、期待していた「喜び」ではなく、乾いた焦燥感に似たものだった。

どうした俺?

俺はこの方法が自分にとって正義だと思って行動したんだろ?
心の底から湧き出てくる焦燥感を必死にくみ取りつつ、俺は任務を全うした。

しかし、その時だった、
ショッカーCが後ろの小さいわが子をかばっていたのが目に入ってしまったのだ。

そしてその子供の手には

ハーゲンダッツ(ベリーベリーストロベリー)が握られていた。
俺の部隊は容赦なくそのエリアも制圧した。

エリア制圧が終わり、俺の部隊は歓喜に沸いた。

しかし、俺に残ったのは喜びではなく空虚感だった。
「ショッカーにも、彼なりの正義があったのか・・・・・俺のしたことは、正しかったのだろうか。」
正義という言葉が、俺の中で崩れ落ちた。
———————完———————————

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

ええっと
調子乗ってすみませんでした。
出来心だったんです。
ゆるしてください。

科学と音楽と猫が好きなScientistです。

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