「ウェブはバカと暇人のもの」の書評

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中川淳一郎氏の著書、「ウェブはバカと暇人のもの」を今更ながら読み終わりましたので感想を述べていきたいと思います。

 

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)

 



はじめに

中川淳一郎氏は、大手広告代理店の博報堂を退社した後にフリーのライターとして活動していらっしゃいます。

テレビブロスなど有名なwebサイトの編集長を歴任しており、ネット関連の話題に非常に精通しております。

(精通しすぎているのか、2chで炎上していることも多いです)

 

この本を手に取った理由は、中川氏のライター向けのセミナーに参加したのがきっかけでした。

「宣伝会議」という企業が主催するセミナーだったのですが、ネットで受けるネタ、タイトルの上手い(読者を釣れる)付け方など、非常に参考になるお話を聞く事が出来ました。

そんな中川氏の考え方を知りたいと思ってAmazonでポチったわけです。

 

本の内容

この本の大まかなあらすじはシンプルで

「ネットに過度の期待をするな」

という一言に集約できます。

 

一時期「Web2.0」という言葉が話題になっていましたよね。

定義は人によって若干違ってきますが、日本のITコンサルタントである梅田望夫は、著書『ウェブ進化論』で、

「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」

と定義しています。

これではちょっとわかりにくいと思うので、もっとわかりやすい解説を掲載したサイトによるとこう説明されています。

インターネットが普及し始めた1995年ごろ・・・・・・・多くのWebページはただ「読む」だけのメディアで、「Webページ=文字や画像をレイアウトして作る読み物」という認識が一般的でした。

・・・・しかし、今どきのWebページの多くは、単なる壁新聞ではありません。例えば入力フォームにキーワードを入力して「検索」したり、気に入った商品を「注文」したりチケットを「予約」したり、また、事前に会員登録した情報に合わせて、自分の好みに合った情報だけを見せてくれるページもあります。

・・・・「見る」だけでなく「使う」こともできるWebページは、「ホームページ」ではなく「Webサービス」と呼ばれることが多くなりました。この記事でも、以降は「Webページ(サイト)/ホームページ」のことは「Webサービス」という呼び方で統一します。

このようにWebが多機能になり、さまざまなサービスを提供してくれるようになったことは専門用語で「Webがプラットフォームとして振舞うようになった」といい、Web 2.0の最も基本的な特徴だとされます。

初心者でもよくわかる「これからのweb」の全て 第1回:ホームページは「壁新聞」じゃなくなった より引用

 

つまり、「webを利用する人もいろいろ行動を起こすようになったから、そういう人もターゲットにしてビジネスを展開していこう」という考え方と大まかに解釈できるかと思います。

 

このような考え方に感化されてか、企業はwebの無限の可能性を信じてしまいネットでビジネスを展開しようと日夜努力していますが、中川氏はこう警鐘を鳴らします。

「確かに有識者はいるが、ネット利用者のほとんどが暇人、かつバカ。ネットの理想は集合知だが、集愚知になっているのが現状。このような場所で企業が”まじめに”ビジネスを展開、特にブランド戦略をしようとしてもほとんどが無駄である」

と、ネット上での企業の”真面目な”ビジネス展開を否定しているのです。

(なぜネット利用者が暇人で馬鹿なのかを中川氏は具体例を交えつつ解説していますが、詳しい中身は是非本を手に取って読んでみてください。)

 

そして、企業がネット上でビジネスをしたいならば次の条件を守るべきだとしています。

1.ネットとユーザーに対する性善説・幻想・過度な期待を捨てるべき

2.ネガティブな書き込みをスルーする耐性が必要

3.ネットではクリックされてナンボである。かたちだけ立派でも意味がない。そのために、企業にはB級なネタを発信する開き直りというか割り切りが必要

4.ネットでブランド構築はやりづらいことを理解する

5.ネットでブレイクできる商品はあくまでモノが良いものである。小手先のネットプロモーションで何とかしようとするのではなく、本来の企業活動を頑張るべき

 

本の感想

この本は全体としてはネットの諦観論ですが、かなり的を射ていると僕は思います(一部言い過ぎな所はある気がしますが)。

特にwebを使った広告戦略について述べている箇所にはとっても共感しています。

業界内で評価される(ウェブ)プロモーションは、一流芸能人を投入し、テレビCMの大量出稿でサイトの告知をし、ときには雑誌にブックインブックを挿入したカネのかかった作りであることが多い。 そして、これら業界内評価の高いサイトは大抵フラッシュを使いまくっていて、見ていて疲れてしまう。

・・・テーマはキレイすぎるし、すべてが「善」であふれている。だが、ネットでは、身近で突っ込みどころがあったり、どこかエロくて、バカみたいで、安っぽい企画こそ支持を得られるのだ。そして、掲示板やブログで「○○社のキャラがあまりにもゆるすぎるwwwww」「○○社のキャンペーンサイトがアホすぎる件」などと書かれたら、それこそ成功である。 これを言うと企業の人は「ネットってバカみたいじゃないか!」と驚く。だが、「はい、バカみたいなんです。そういうものなんです。人々の正直な欲求がドロドロと蠢いている場所なんです。友達と飲んでいるときに、『このビールはコクがあってノドゴシがスッキリだね』『そうだね、やはり酵母の力が生きているからじゃないかなあ』なんて宣伝臭ただよう話をしますか? ビールについて居酒屋で語るときは、『一番搾りのCMに出てくるあの湯葉うまそうだよな、よし、湯葉頼もうぜ』『いやぁ、それにしてもビール飲むとなんでこんなにたくさんションベンが出るんだよ!』みたいな話をしませんか? それが人々の関心だし、『語りたい内容』なんですよ。ネットもこれと同じです」と答えることにしている。 ネットは暇つぶしの場であり、人々が自由に雑談をする場所なのである。放課後の教室や、居酒屋のような場所なのである。

この解説に共感が出来たのは、僕が大学受験関連のwebサイトを作っていたときには同じ様な経験をしたからです。

僕は、とあるテーマで大学の紹介をするサイトを持っているのですが、いくら大学の教育の質、研究の質を説いたページを作成しても全くアクセスはアップしませんでした。

では、どの様なページを作ってアクセスが上がったかと言うと

① その大学の偏差値を解説したページ

② その大学の学生生活(サークルや周囲のお店の情報)

③ その大学の就職状況を解説したページ

です。

 

このような結果から僕は

「ネットを利用する人は大学の教育方針なんかには全く(0ではないが)興味はなく、その大学の世間体や、いかに楽しく過ごせるかが一番知りたいんだなぁ。あまり真面目な話をしても受ける事はないんだなぁ」

と、諦観してしまっているのです。

 

今回の「ウェブはバカと暇人のもの」の上記の記述を読んで、この考え方とドンピシャだとちょっと感動してしまいました。

 

 

「ネットは暇つぶしの場であり、人々が自由に雑談をする場所なのである。放課後の教室や、居酒屋のような場所なのである」

この文がネットの本質を表していると思います。

 

参考本

この様なweb諦観論を唱える人は多いです。

一番の諦観論者は2chの管理人のひろゆきさんでしょうか。

ひろゆきさんは「ネットの可能性」がやたらとピックアップされるこの時代に非常に冷静な考え方をしていらっしゃいます。

次の本を読めばひろゆきさんの考え方がわかるかと思います。

 

 

 

科学と音楽と猫が好きなScientistです。

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コメント

  1. ななしさん@スタジアム より:

    極めて正論だと思う。さっき東京MXテレビの5時に夢中の中で、この本の中川淳一郎氏がドランクドラゴンの鈴木さんからインタビユー受けて答えてたけど、まさに中川さんの仰るとおりでけだし全部当たってると思う。‘’要するに暇人でバカなんですよ‘’って中川さんがかなりキツイ事を言ってたけど。2ちやんねらー等にはかなりショックかもしれないけどね?

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