アメリカ文化の歴史

今回の記事が面白かった・役に立ったら是非シェアをお願いします

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アメリカの歴史をざっとめくってみると、いかにアフロアメリカンがアメリカという布地に縫いこまれていたかがわかる。彼らの存在は何十年にもわたる憲法の枠組みに影響を与え、「ミズーリ協定」、「カンザス=ネブラスカ法」、「ドレッド・スコット判決」などの様々な法律の制定において、間接的、非間接的にも影響を与えた。これらはアメリカの内戦の原因となるものだったが、その後の再建で黒人の市民権と権利が認められ、アメリカの分母集団としてこの国を支えていった。

アフリカンアメリカン達がアメリカに残した最大の遺産は音楽である。奴隷としてアメリカに入国させられた彼らは読み書きが出来ず、自身が所属できるグループは形成できてなかったので、子孫に伝承できる建築技術、彫刻技術などは持ち合わせてはいなかった。しかしながら、彼らの調音法、そして歌は解析できないほどに音の調和とリズムが取れており特に彼らが歌っていた、労働の厳しさ、彼ら自身の葛藤を体現した歌はその後も伝承され、アメリカ音楽の中に組み込まれていった。そこからはジャズ、ブルース、R&B、ロックンロールなど、多様なジャンルの音楽が派生していき、その後のアメリカの音楽の形成に多大な影響を与えた。この影響はアメリカだけに留まったものではなく、海外からもたくさんの作曲家達がアメリカの音楽を学びに海を渡り自国に持ち帰って行った。この影響力は、ビートルズ、ローリングストーンズなどの有名なアーティストたちを見れば一目瞭然である。

しかしながら、黒人アメリカ人たちが残したアメリカ発展への一番の貢献は彼ら自身の経験である。彼らは白人アメリカ人の支配により大変困難な生活を送っており、その経験は他の民族が経験したであろうものと同等、もしくはそれ以上にアメリカの歴史を築き上げてきたものであった。建国200年が近付き、黒人たちの経験は徐々にアメリカの性質に刻み込まれ始めている。それは単に彼らが使っていたスラングや彼らの音楽のおかげではなく、一つのアメリカ人としての性質として融和されていったものであるということを私たちは忘れてはいけない。

科学と音楽と猫が好きなScientistです。

今回の記事が面白かった・役に立ったら是非シェアをお願いします

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローしていただければ最新記事情報をお知らせいたします。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*