ネガティブデータを専門にあつかう雑誌は誕生しないものか

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僕は現在大学院生という身分でして、毎日毎日実験をしているわけです。

実験をしてデータを綺麗にまとめていると、どうしても出てくるのはネガティブデータというものです。

 

例えば、ある生命現象Aがあるとしましょう(現象としてはなんでもいいです)。

そして、その生命現象はどのような遺伝子が司っているかを調べたいと思っているとします。

そこで行う実験は、ノックアウトと呼ばれる個体を作成することです。

このノックアウトというのは、ある遺伝子の機能が壊れた個体だと思ってください。

生命現象Xに関する遺伝子を明らかにしたいとしたら、この現象に関連がありそうな遺伝子をピックアップして、遺伝子一つ一つのノックアウト体を作成していけばいいのです。

もし、当たりを引けばミュータントはその現象が起こらなくなり、その生命現象を司る遺伝子を単離できたという結果になります。

 

しかし、世の中はそんなに甘くはなくて、何個も遺伝子を壊しても何も影響を与えないことが多いです。

このような、実験をしてみても結果がなにも出ないようなデータをネガティブデータといいます。

 

ノックアウト体を作成すること自体は非常に手間がかかって面倒なので、ネガティブデータばかりが続くと、気分がかなり落ち込みます。

今すぐにでもバカンスに出かけたくなるほど落ち込みます。
そんな落ち込んだ時に思うのは、このネガティブデータを世間に公表することはできないのかなぁということです。

とある遺伝子Aを壊しても、生命現象xには何も影響を与えなかったというネガティブデータも、一種の新しいデータであり、多少は有益だと思うのです。

すると、同じような分野の実験を行っている研究者に「この遺伝子はこの現象にはあまり関係ないみたいだよ。同じような実験をする時には省いていいかもよ」

と、有益な情報を提供できるわけです。
余計な研究費を使わずに済み、研究業界が少しは良くなるかもしれません。

 

だから、ネガティブなデータを専門に扱ってくれるような学術雑誌があればいいなぁという妄想をここ最近しているのですが、この案はどうでしょうか。

 

 

 

なぜこのようなシステムがないのかを自分なりに想像してみたところ

① 他の研究室に自分の研究の狙いばバレる
全く同様の研究をしているライバルが、自分の注目している内容に感づかれてしまい、最悪美味しいとこドリをされてしまう可能性がある。

② 雑誌に乗せてもインパクトはないため、読者が増えない
→いいポジティブデータを載せる雑誌は、読者が自然と増えていきますが、ネガティブデータだと話題性はほぼ0と言っていいため、その雑誌の収益化が望めない。

③ ネガティブデータをまとめている時間があったらいつでもポジティブデータをだせるように実験をがんばった方が後につながる。

などの理由が考えられました。

 

しかし、①はともかく、②、③はデータの提出のスタイルをかなり簡略化すれば解決はすると思います。

つまり、ポジティブデータを出すような厳格なフォーマットにする必要はなく、データベースに登録するような形でいいと思うんです。

データベースならば、利益などをそこまで考えなくてもいいと思いますから、お金の心配もありません。

 

このネガティブデータ専門の雑誌(データベース化)案、誰か賛同してくれないかなぁ。

 

 

さて、実験に戻ろう。

京都在住の科学系なんでもブロガーかつRubyistです。
専門は生物学やビッグデータの解析です。
一人旅が大好きで、休みにはしょっちゅう国内外をぷらぷらしています。

生命科学系の研究や美味しい飲み屋の情報を紹介しています。
また、ライフハック系の記事もよく更新しています。

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